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ミラクル★トレジャー
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「日常〜ライラと猫と〜」
ギルド内にて、みんな各々の時間を過ごしていた。
「よぉ、キート!...っと」
ライラがすれ違ったキートの頭に手をかけようとしたが、寸前で躱される。
少し距離を取ったかと思うとライラを睨む。
「挨拶ついでにフード剥がそうとするな」
そう警戒する姿はまさに猫だ。
ライラは不満そうに口を尖らせる。
「なんでそんなに嫌がるんダ?
プリムは全然嫌がらないノニ...」
「嫌がる方がおかしいみたいな言い方しないでくれるかな」
ライラは本当に理解不能なようで、キートもツッコミつつ呆れてため息を吐く。
プリムもよくフードを剥がされているようだが、本人曰くあまり気にしていないらしい。
キートにとってはそっちの方が理解し難い。
「よく飽きもせず毎日出来るよね。
最初はフードの下が気になるとかあるかもしれないけど、流石にもういいでしょ」
ぎゅっとフードを押さえながら言うキート。
ライラによるともう日課となっているらしいが、キートからしてみれば迷惑なことこの上ない。
一方ライラは思うところがあったようで
「キートが猫人ってのはみんな知ってるだロ?
今更隠す必要あるカ?」
と尋ねる。
キートは猫人であることから人間に揶揄われた過去がある。
それで一応隠すために着けているそうだが、このギルドに種族のことで差別する者は誰もいない。
だから隠す必要はないのだ。
確かに、と少し思いながらも、ぷいっとそっぽを向く。
「僕はこっちの方が落ち着くんだよ。
プリムだって未だにフード付けてるじゃない」
そんな反論にライラは「確かニ!」と声をあげる。
納得した様子から、やっと終わるとほっと安堵の息を漏らすキート。
が、安心したのも束の間。
「スキアリ!!」
「うわ?!」
バサッ。
ライラの華麗な手捌きによって、フードは剥がれ、キートの猫耳が露わになってしまった。
キートはガックリと肩を落として項垂れる。
そんな様子のキートの耳を見ながら、満足そうに笑うライラ。
「ウン、やっぱ変に隠してない方が、アタシはスキだナ」
お世辞でも嫌味でも何でもない、素直な気持ち。
ライラは嘘を吐けるような性格でもないため、キートもそれは分かっている。
それでもやっぱり鬱陶しいし不快ではあった。
が、同時に自分を認めてもらえているような気がしてちょっぴり嬉しいのも事実で。
「...君、そんなに猫が好きなの?」
キートからの質問に頷くライラ。
「見てて面白いダロ?
自由気ままで動きもカワイイし。
あとはアニキの影響だナ」
そこまで言うと何か閃いたように、キートの腕を引く。
「そうダ、アニキは大の猫好きなんダ!
アニキにも見せてやろうゼ!」
「は?いや、まっ...」
そのままロビーへと連れて行かれ、ニグルムだけでなく、ひなたやアリシャ、ミラ、クルにまで愛でられる羽目になったキートであった。

「すごーい!本当に本物なんだねぇ。
ふわふわだ〜」
「ミラも触りたーい!」
「クルもー!」
「2人とも、やさーしく触るんだよー。
ところで、尻尾とか触られたらどういう感じなの?やっぱくすぐったい?」
「不愉快」
「食の好みも猫に近いのか?」
「アハハ、アニキ料理下手だもんナ!」
「実験台にしようとするのやめてもらえる?」

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